RASHIX 三石耐火煉瓦株式会社

BUSINESS GUIDANCE 事業案内

原子力関連設備×RASHIX~放射線の遮へい壁として~

放射線環境下での作業員保護に 従来、放射線の遮へい素材としては比重の大きな物質が有効であり、主に鉛や鉛を含む材料が用いられていましたが、
人体および地球環境に有害な鉛が近年、使用できなくなり、コンクリートや鉄が使用されるようになりました。
しかし、それらコンクリートや鉄の遮へいでは、寸法が大きくなる、磁化するなどの欠点があります。
そこで福島第一原子力発電所の事故による放射性廃棄物対策として、
開発したのが放射線遮へいセラミックスRASHIXです。 
RASHIXは、当社独自の焼結技術により常識を覆す4.9g/㎤の密度を実現した、放射線遮へいセラミックスです。
セラミックス本来のもつ加工性を保持し、自由な形状で製造することに成功しました。
東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の事故処理活動におきましては、
福島県内の除染廃棄物の仮置き場にて、RASHIX遮へいボックスで廃棄物からのγ線を遮へいし、
放射線量の減少量の測定を行いました。
結果は、遮へい厚さ17cmで98.47%の遮へい率となり、RASHIXの遮へい性能が確認されました。

「RASHIX」の優れた遮へい性能

RASHIXは、鉛などの重金属を含まない安全な製品です。セラミックスが持っている本来の性質を生かし、密度が高く非常に重いセラミックスとして誕生しました。
経年劣化を起こさず、高強度で耐薬品性にも優れているため、安心してお使いいただけます。
RASHIXにおける放射線の遮へい性は、独立行政法人東京都立技術研究センター、岡山理科大学、大阪府立大学において、検証試験を多方面にわたって行った結果、高い性能が確認されています。

RASHIXは4.9g/㎤の密度があり、効率的に放射線を遮へいすることができます。
例えば、放射性セシウムCs137から発せられるγ線を、同じ長さ(10cm)のRASHIXとコンクリートで透過率を比較した場合、RASHIXはコンクリートの6分の1に低減することが可能です。
 また、RASHIXをコンクリートと同じ透過率にした場合、コンクリートの約半分の厚さとすることができます。構造物の厚さを半減することにより、土地や建物を有効的に利用することができます。

施工例

例1)愛媛県西宇和郡「伊方庁舎原子力災害対策施設」
例2)嘉島地区原子力災害対策施設

東日本大震災に起因する福島第一原子力発電所の放射性物質流出事故では1㎡当たり4万ベクレルを超えてセシウムで汚染された大地が約1万4000㎢も存在していました。国や市町村が除染・廃棄物処理を実施。国直轄除染では総数延べ約1,360万人(2018年1月末現在)、市町村除染(福島県外を含む)は延べ約1,800万人以上の作業員が処理にあたりました。処理作業に関しては、作業員の被ばく、作業員確保や資機材調達の難航、保護具による作業効率の低下等が懸念されていましたが、それらの解決法が検討され、研究開発・技術開発がおこなわれ、可能な限り被ばくを減らした環境改善が実施されています。日々の除染業務を通じて、これまで蓄積して参りました遮へいに関するノウハウを、RASHIXを通じてご提供してまいりたいと思います。